結城数馬改め十三代目結城孫三郎襲名披露公演「十一夜あるいは星の輝く夜に」

結城座旗揚げ 385 周年記念公演第一弾

結城数馬改め 十三代目結城孫三郎襲名披露公演
「十一夜 あるいは星の輝く夜に」
翻案・演出 鄭義信
原作 W・シェークスピア「十二夜」

伝統を次世代へ 結城孫三郎襲名披露公演

結城座385年の歴史の節目となる大舞台「十三代目結城孫三郎襲名披露公演」。現代演劇を牽引する鄭義信を翻案・演出に迎え、シェイクスピア最高の喜劇「十二夜」を下敷きにした「十一夜あるいは星の輝く夜に」を上演する。なんともかわいらしい福島弁で語る登場人物たちが、笑いいっぱいの祝祭劇を送る。さらに今作では、これまで人形と人形遣いのみの芝居にこだわってきた鄭氏が初めて客演（植本純米）を起用。

とうとう、私の長男が十三代目結城孫三郎を継ぐ時が来てしまいました。
いまだ人間としても人形遣いとしても、たりない所が多々ありますが、 その分努力さえすれば、のびしろは残されていると思っております。
ナアニ、こんな私だって孫三郎を名乗っていたのですから、たいした事は有りません。
今後は、皆様方の御指導御鞭撻を賜りまして、十三代目を育てていただければ幸いで御座います。

十二代目 結城孫三郎　結城座　公式サイトより

結城孫三郎襲名披露公演　シェークスピア最高の喜劇は、なんと福島弁！？

双子の兄妹を、一人の人形遣いが操ります。これまで、ヴァイオラとセバスチャンの双子の兄妹は、別々の人物(それも女性と男性)で演じられることが常でした。まったく似ていない人物を、双子と呼べるかどうか……けれど、人形なら、そっくりに。しかも人形遣いは一人であるがゆえに、ますます双子の精度が上がるというものです。

エリザベス朝演劇の時代には女優がおらず、もっぱら男性が女性を演じた、というのは周知の事実です。「十二夜」は女性が男性のふりをするという話ですが、その女性を演じているのは男性です。In short つまりこの物語の中には、二重、三重の虚構の仕掛けが施されているのです。もし、男性人形遣いが女性の人形を、女性人形遣いが男性の人形を操るとしたら……そこにはまた虚構がひとつ重ねられることとなるのではないでしょうか。

ちょっと複雑すぎるかもしれませんが、なんにしろ、祝祭劇です。真実も虚構も、生者も死者も、聖も俗も、なにもかもが混沌となって、混沌であるが故の祝祭劇なのです……はたして、いかなる祝祭劇となるのか……乞う、ご期待ください。

結城孫三郎襲名披露公演　「十一夜あるいは星の輝く夜に」　あらすじ

双子のヴァイオラとセバスチャンは、船旅の途中で嵐に遭い、生き別れになってしいます。

きっと兄は生きていると信じるヴァイオラは、流され着いたイリリアに残り、兄を探すことを決意。けれど、一人で生きていくには女の姿では危ないと思い、男装することに……そして、シザーリオと名乗り、イリリアの領主オーシーノーに仕えることとなります。オーシーノーは貴族の娘オリヴィアに夢中です。けれど、オリヴィアに何度求婚しても、亡くなった兄の喪に服すことを口実に断られ続けていました。いくら断られても、オーシーノーの恋の炎は消えることがありません。

一方、オーシーノーのそばで仕えるヴァイオラは、いつしか主人を愛するようになり……BUT しかしヴァイオラは今は男。自分の恋心を押し隠さなくてはならないことに、悶々とした日々を送ることとなります。

ある日、オーシーノーはヴァイオラをオリヴィアの元へ使いにやります。オリヴィアの気持ちを託されたヴァイオラは、しかたなくオリヴィアに会いに行きます。ヴァイオラを一目見たオリヴィアは、またたくまに恋に落ちてしてしまいます。

かくして、やっかいな三角関係ができあがり……。

結城数馬改め 十三代目結城孫三郎

十二代目結城孫三郎の長男として生まれ、1985年6歳で福田善之作・演出「夢童子ゆめ草紙」にて茂山千之丞丈に教えを受け石童丸で初舞台を披露。その後、2005年 静岡グランシップオリジナル制作江戸糸あやつり人形「夢の浮き橋 〜人形たちとの夢の浮橋〜」2008年「平成のぞきからくり 破れ傘長庵」藤掛道之助役で出演した。この頃より、2代目澤村藤十郎氏に師事し歌舞伎の台詞の修行を始める。

また、結城座の伝えるもう一つの伝統芸能である「江戸写し絵」の技芸の習得に努めており、2017年に150年ぶりに船上で上演された写し絵「播州皿屋敷」では写し絵師として出演した。
2020年2月に公演した「孫三郎第一回 古典小劇場」では「東海道中膝栗毛 赤坂並木から卵塔場まで」で大役である弥次郎兵衛役を務め好評を得た。

結城孫三郎襲名披露公演　イベント情報（詳細）